のんびりいこう
パン作りにレース編み・パッチワークキルト、時々ちらりとアメリカンコレクタブルズ。
帰省先の静岡から自宅へ戻る時のお話です。
Uターンラッシュが懸念されていた2日でしたが、
案の定、東名に乗った途端に渋滞でした。
あらら・・・まあ、仕方ないよね。
のんびり行きましょう・・・と思っていましたが
10分も走ると車が流れ始めました。
富士を過ぎ、沼津を過ぎ、御殿場と
ところどころ車のスピードが落ちる事はあっても
ピタッと止まる事は無く、
まあまあ、このくらいの混み具合なら・・・と言ったところ。
途中、比較的空いている鮎沢パーキングエリアに寄る事が多いのですが
「今回はノンストップで行ってみよう~」
なんて、調子に乗って鮎沢を通過。
次の中井PAも通過。
さて、秦野中井のインターチェンジが近づいてきた頃
厚木の辺りで渋滞が発生している案内が出ました。
私たちは厚木で東名を降りるのですが、
はて、秦野中井で降りた方が良いのか?
なんて話題も旦那との間で出ましたが
結局厚木まで行く事に。
ですが、秦野中井を通り過ぎる瞬間、
ちょっと嫌~な感覚が。
「あ、トイレ行きたいかも・・・・」
まだ「かも・・・」って言う状況なので
そんなに意識はしませんでしたが、
厚木まで残り15㎞と言う表示と共に予想所要時間が60分と出た時には
ちょっと焦り、焦りと共になぜか尿意まで。
間もなく目の前には延々と続く車の列。
そして私たちの車もピタリと止まり・・・・
うそ・・・止まっちゃった・・・・(汗)
で、でも、まだ大丈夫。
とりあえず気持ちを紛らわすように、
掛けているCDの歌詞を口ずさんだり、
旦那に話しかけたりしていましたが、
えーん、1㎞進むのに何分掛かってるの~っ!!
尿意が迫ると共に、
段々挙動不審になる私に気がついたのか旦那が
「どうした?」
と声を掛けて来ます。
「・・・トイレ行きたい」
沈黙
「えーっと、頑張れ。とにかく頑張れ」
うん、さっきからずっと頑張ってる(汗)
15分経過してようやく3㎞進む様な状態です。
冷えてはいけないので後部座席に置いてあるコートをお腹にあてて、
眠くなるので消していた暖房も点けて、
とりあえず出来る事は何でもやってみますが、
どれもこれも焼け石に水。
30分ほど経過で5㎞通過。残り10㎞。
もうかなり限界が来ていて、
思考もはっきりしていない状態。
その時、ふと目に入った車用のCDを収納しているプラスチックケース。
最悪、これに頼る・・・?
と、おもむろに中身を出し空っぽにして
お腹の前に抱えてみる。
旦那は若干ギョッとした表情で
「それ、使うの?」
と聞いてきましたが、それに答えたかどうかも不明。
(後から聞いた話では、どうやって使うかも疑問だったそうですが)
人間て切羽つまると面白い事を考えるもので
この時も、
「このプラスチックケースにビニール袋を敷いた方が良いかなぁ。
あ、実家でみかん貰って、それが入ってるビニールが後ろの座席にある」
とか、
「洋服は最悪汚れてもクリーニングに出せば良いけれど、車は出来ないから、
一応座席にコートを敷いた方が良いかな。」
とか、考えちゃうんです。
焦ってるんだか、冷静なんだか。
40分経過してようやく残り8㎞。
もう決壊寸前(涙)
情けなさで涙が出てくるし、一緒に冷や汗も。
この水分が膀胱の中の水分だったら、
幾らでも泣くし、汗をかくのに。
この頃になると、流れているCDの音すら苛立たしくて・・・
お腹も力を入れた方が良いのか悪いのか。
気も遠くなっていくし。
そしてひたすら
「もう、だめかも。」
「ごめんなさい」
って言葉を、呟いていた気が・・・
この後は、一人ブツブツ歌を歌っていたらしいです(旦那談 自分の記憶なし)
残り3㎞を切った頃、ようやく車が少しずつ流れ始め、
「もう少しだぞ、頑張れ」
と言う励ましの言葉に、
抱えていたプラスチックケースから手を離し・・・
やがて、目の前には出口へ向かう車線が現れました。
厚木で降りる車は殆どなく、
料金所までスィスィ~っと、スムーズ。
一般道に出てすぐに見えたファミレスへ車を入れました。
お店の入り口付近でとりあえず私は降ろしてもらって店内へ。
「いらっしゃいませ~、何人様ですか?おタバコは?」
なんて聞かれたら、どうしよう、先に質問に答える?
「とりあえずお手洗い貸して下さい!」
って言う?
なんて、またどーでも良い事を考えながらドアを開けると
幸い店員さんは先に入っていたお客さんを接客中。
私はそのまま入り口付近にあったお手洗いへ直行~。
はぁ~~~~、ま、間にあった~(涙)
ホントに、本当に間にあって良かった~。
体の緊張が解け、体の力が抜けて、
安堵と情けなさで涙がこぼれて来ました(恥)
しばし個室で放心状態(笑)
まさかお手洗いだけ借りて、さようならって訳には行かないので
そのままお店でお茶を。
でも、もうなんだか怖くて水分を取るになれなかったのですが、
まあ、もうこの後はずっと一般道だしね。
止まろうと思えばすぐに止まれる。
と言う事で、普段はめったに頼まないのですが、
あまりにヘロヘロになって、貧血のような感じだったので
ホッとココアなんぞを飲みました。
それにしても恐るべし日本の渋滞。
この怖さ、忘れていました。
今回は渋滞があるであろうと言う予測はしていたのですから
どこかできちんと休憩を取るべきでした。
そして、
「もうダメ!」と思っても
意外とその場で出来ないものだな・・・と、思いました。
やっぱり然るべき所で然るべき体勢でないと(笑)
とは言え本当に良かった。
人としての誇りは守れたな・・・と、
しみじみ感じたお正月でした(笑)
5年間のアメリカ生活を終えて2009年4月末に無事帰ってきました。
老後の夢だった、「陽の当たるキッチンでひがな一日パンを焼き、ジャムを煮る生活」が、アメリカにて叶い満足気味、今はこれからの夢を模索中・・・
過ぎゆく時間の中で、感じた事、出逢った事、作ったもの・・・そんな日々の記録です。